どうしてそうなるんだ!突然つきつけられた離婚届
悲しいやら絶望やら、もう気力がなくなり、帰宅までのことはよく覚えておりません。
家でソファーに身を落としうなだれていると、心配した妻が隣にやってきました。
「頑張っていこう、一緒に。出来る限り協力するから」
協力ってなんだ。お前は病人じゃないくせに。と、怒りがこみ上げてきました。
「協力ってなんだ? お前が代わりに病気になってくれんのか? 他人事のくせに!」
私は医者にぶつけきれなかった思いを、よりによってせっかく心配してくれた妻にぶつけてしまったのです。
それからは、目に見えて妻との関係がぎくしゃくし始めました。
妻は私が帰宅すると、すぐに自室に引き上げてしまいます。
また娘も同様、私の姿を認めるときまりが悪そうにどこかへ消えてしまいます。
当然のことです。仮に私が妻の立場でも同じような行動を取るでしょう。
妻との関係が不穏になり、3ヶ月ほど経ったときのことです。
仕事から帰宅すると、妻が神妙な面持ちでソファーに座っています。
すぐに部屋に戻らない妻の様子を見て、私はなんとなく察しがつきました。
近くの引き出しから、一枚の紙切れを取り出した妻。
離婚届けでした。
妻は搾り出すように言いました。
「私はあなたの役に立ちたかったし、ベストを尽くしたつもり。
けど、それで邪魔って言うのなら夫婦を続けている意味がないと思うの。離婚してください」
書類を突き出されても、まだ自分の病気のことで頭がいっぱいだった私は、なぜ自分がこんな大変な時に!と憤りました。
その時はもう少し待ってほしいと伝えて回答を保留し、私は色々と思い巡らせました。